【第13話】甲子園ボウル

ストーリー

学生の間でも、まことしやかに世界の終末論が囁かれていた、この時代。
ただ、リュウさんだけは、いつも通りタバコをふかしていた。
普段は無茶苦茶だけど、この人といれば、何でも何とかなりそう。
そう思える、謎の安心感があった。

廃部から復活するためには、一度、本場のアメフトを会場で観て雰囲気から何から全てを”体感”することが必要。
リュウさん、番場さん達は、あと3ヶ月で大学を卒業する。
秋のリーグ戦が終わった12月現在、もう先輩達が長杉大学として試合に単独出場することは不可能。
だから、次の世代であるけんしろーに託すために、今回の遠征を企画したのかもしれない。

この遠征は、本当に楽しかった。
移動手段や宿など手配は全て先輩が行ない、食事も何でもかんでも奢ってくれた。
新世界にある銭湯でゆっくり浸かり、食事処で入店から退店までずっとクシャミをしていたおじさんの隣でお好み焼きを食べたり・・・
帰りの電車でも、「番場のハルカス」や「トーテムポールのお家芸」など、終始笑いっぱなしだった。

・・・が、同時に、
もう終わりが、すぐそこまで近づいて来ていることが分かった。
いつまでも、一緒じゃいられない。
そう思うと、切なくて、悲しくて・・・

次回、第14話「死の三日間」は、6月28日に公開予定です。

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